MY TOWN MY STORY CMディレクター/映画監督/小説家 グ スーヨン

Interview / MY TOWN MY STORY

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住んだらすごいんです

CM界の鬼才と呼ばれ、映画監督や小説家としても大活躍されているグ スーヨンさん。
10年前に土地を購入して建てたという、目黒区碑文谷の制作スタジオ付きのご自宅を訪ね、近隣エリアの魅力や仕事面での新たな取り組みなどをお伺いしました。

CMディレクター/映画監督/小説家 グ スーヨン - Profile -

CMディレクター/映画監督/小説家 グ スーヨン

グ スーヨン Gu Suyeon

1961年、山口県下関市生まれの在日韓国人二世。
広告制作会社の㈱デルタモンドから㈱サン・アドに移り、26歳でディレクターデビュー。
1994年にGOO TV COMPANY 1td.を設立。

「脱いでもすごいんです(TBC)」
「パソコンできない人は亡びる(COMPAQ)」
「だって8時間だもん(SONY)」等、
数多くの話題のCMを世に送り出す。

「偶然にも最悪な少年」「プルコギ」の映画監督や小説家としても活躍中。

東京生活28年のうち24年間は城南エリア

グさんが初めて東京で暮らした街はどちらだったのですか?

グ スーヨンさん
グ スーヨンさん
20歳で上京したあと、4年くらい高田馬場に住みました。
その後は、三軒茶屋、桜新町、経堂、上町、弦巻と、ずっと世田谷区。
碑文谷に引っ越したのは10年前です。子どもが小学生になった頃、一軒家やマンションを漠然と探していたときに、たまたま旗型の安い土地が見つかったので購入し、1階が制作スタジオ、2、3階が自宅の建物を建てました。
スタジオは広々としたオープンフロアだそうですね。

グ スーヨンさん
壁をつくればつくるほど金額が高くなるというお金の問題と、僕が閉所恐怖症気味なので、建築家には、広く、天井は高くというお願いをしました。
1階のデスクが置いてある部分を少し掘り、天井は何も貼らずに2階の床の裏をそのまま使ったら、かなり天井高になりました。

グ スーヨンさんと、右は息子さんの有然(ゆーよん)君
▲右は息子さんの有然(ゆーよん)君

CMディレクター/映画監督/小説家 グ スーヨンさん

車、電車、ウォークも周辺グルメも充実

目黒の住み心地はいかがなのでしょう。

グ スーヨンさん
僕にとっては、日本自体がよその国。だから、土地に執着はなく、駄目だったら住み替えればよいという感覚なんです。
世田谷も住みやすかったのですが、目黒も住んだらすごいんです。
実は、以前、目黒通りを車で通ったときに、大鳥神社まで行くのにすごく時間がかかったため、目黒の道は混んでいるという印象だったのですが、実際に住んでみると、同じくらいの距離の都心に着くのが、世田谷時代よりも15~20分は早い。
しかも、一方通行が少ないので、動きやすいんです。
車での移動が多いとのことですが?

グ スーヨンさん
ここ半年くらい、久々に人間観察を兼ねて、最寄りの東横線・学芸大学駅から電車にも乗るようになりました。
2駅隣の中目黒駅は都心からも1本なので、仕事の打ち合わせをするのにも便利です。
最近、中目黒でハマっているのが、若い助監督たちとしこたま飲み食いしても安い『いろは寿司』。『いずみ田』の韓国の辛い慶州鍋もおいしいですし、ダイニングもいっぱいあるので、よく行きます。
学芸大学駅付近では、『拉麺研究所 香』がオススメ。近場では、家から徒歩5分の場所にある九条ねぎの旨さに驚いた『時代屋 旬』。その旬の店を舞台に、大将も出演し、都内二千台、全国五千台のタクシーで放映されている、タクシーとCMをかけた〝タクシーエムテレビ〟の3分番組のコンテンツ制作を7カ月前からやっています。
また、徒歩のシーンもあるそうですね。

グ スーヨンさん
犬の散歩に行くのが、すずめのお宿公園。それから、今年8月に脳腫瘍で入院したときに6kg体重が落ちたので、せっかく落ちた体重をリバウンドさせないようにと、林試の森公園へ約50分、脂肪燃焼によいと言われている早歩きで行き、一周して帰ったり、祐天寺まで同じく往復約50分の道を歩くようにもなりました。

消費者に近い映像制作、お蔵作品公開にトライ!

そんなグさんの仕事面での夢を教えてください。

グ スーヨンさん
タクシーエムテレビは息子が監督をやり、自宅で編集もします。
家族で仕事ができるようになったので、テレビCMのような誰が見ているかわからない大きな仕事だけではなく、たとえばディーラーの店頭で映像を見た人が車を買いたくなるような、消費者に近い企業プロモーション映像などもつくっていきたいですね。
そして、もう一つ新たな取り組みをされるとか?

グ スーヨンさん
今年、始めるのが、お蔵入りしたコンテンツや限られた映画館でしか上映されなかった映画、映画祭などで落選した自主制作映画などをインターネットや店頭で販売する〝お蔵屋(仮称)〟。今、作品と、スポンサーを大募集しています。
住んだらすごい目黒の一角に佇むスタジオを拠点に、過去の数々のCMのような見た人の感性にガツンと響く新たな親子コラボ力作が誕生したり、お蔵で眠る作品が息を吹き返す日が楽しみです。
グ スーヨンさん
アニメーションもゲームや漫画、実写映画も、空想的なもの。
私たちは、アニメーションという表現技術を通して、子どもたちも含めて、人に、夢や勇気を与えられる作品をつくっていきたいですね。

CMディレクター/映画監督/小説家 グ スーヨンさん

掲載日:2009年12月29日