注文住宅を考えているお客様に対してエイムハウスがご提供する「建築家紹介システム」には、現在5名の建築家がご登録。
本シリーズ最後のメッセンジャーは樋田和彦先生です。
事務所を独立開業してからは、個人の注文住宅や地主さんの資産有効活用を目的とした
賃貸マンション&アパートなどの住居系の仕事をメインでやっています。
また、5~6年前から企画型住宅(建売住宅)の仕事も手がけるようになりました。
どんな住宅をつくるときも、設計過程では、ヒアリングを重ね、クライアント様の人生観・趣向・
要望等を反映させたプランを複数考案しますが、その根底にある思いは
「わたしが住みたい住宅をあなたのために」。
とくに注文住宅は、そういう住宅だと思います。
ですから、センスや感性を理解しあえるクライアント様と作り手の出会いも大切なポイントです。
ご要望やイメージを共有できれば、より楽しく家づくりを進めることができます。
▲制作実績:M邸 キッチン
▲制作実績:M邸 トイレ
クライアント様と建築家とが出会った後は、個別のプランニングのスタートです。
クライアント様の中には、間取り図を書いて、
「この通りの家をつくってください」とおっしゃられる方がいます。
確かに、旦那様も奥様も、長年、住宅で暮らした経験をもつ住宅生活のプロですが、
住宅設計のプロではありません。
住宅の構造的な知識も、法的な知識も、そして最も大切なあなたのための空間
(刺激的・緊張感・安らぎ・楽しい~)をイメージして、具現化するノウハウもお持ちでない。
その溝を埋め、調整していくのも私たちの仕事です。
そんなときに役立つのが、住宅模型です。
私は、今までに数多く模型をつくってきたことで、平面図を見ただけで自分の頭の中で
立体を描けるようになりましたが、一般のクライアント様にはそれは無理です。
今は3D全盛時代ですが、うちの事務所では、クライアント様が立体をイメージ
しやすいように、模型をつくり、お見せしています。
白にするのは、色によってイメージが左右されないようにするためです。
実は、模型は完成型ではなく、たとえば、ある壁が不要だと感じたらバリバリ壊し、
よりよいプランを再考するためのスタディ模型なのです。
立体・空間をつくるのに、立体(模型)でスタディするのは当然と考えています。
あるクライアント様に、「リビングの状況がよくわからない」と言われたときに、20分の1の
大きさでつくり、模型の中に頭を入れて見ていただいたこともありました。
注文住宅をお考えの方は、間取り図を書くよりも、まず、家に対するご要望やイメージを、
住宅設計のプロに語れるように準備しておくことが理想の家づくりの第一歩といえるでしょう。
◇ ◇ ◇
次号では、樋田先生が実際に設計された一棟の注文住宅を通して、
こだわり部分をご紹介いたします。
▲制作実績:M邸 玄関ホール
掲載日:2010年5月31日